地中レーダの計測可能深度ってどれぐらい?
一般的な地中レーダの計測可能深度
地中レーダは一般的にコンクリート探査などでは1,000MHzくらいまでの高周波の機器を使いますが計測可能なのは1m程度。地中の埋設物や空洞、緩みなどの探査の場合は300MHz程度の周波数タイプのものを使用し探査深度限界は3~4mくらいです。
この他、地質調査などはさらに深くまで測定することが求められるため、波長が長い50MHz程度の低周波地中レーダを使用することになります。それにより最大探査深度5~10mを超える測定が可能になります。
計測可能深度だけ考えれば深さ15mくらいまで可能です。しかし低周波で波長が長くなればなるほど分解能は低くなり、精度は落ちていくため、地中レーダだけでは分析のための充分なデータを得ることができない可能性があります。
計測可能深度は周波数と地中の物質に応じて変わる
地中レーダの計測可能深度は周波数の高低によって変わります。それに加えて考慮しなければならないのは地中の物質による違いです。
なぜなら物質の違いによる比誘電率が測定深度に影響するからです。真空中の誘電率を1とした場合の比誘電率は、空気1に対して清水・海水81となります。同じ物質でも含水率が高くなると比誘電率も高くなります。
比誘電率が高いと高周波信号は流れにくくなりますので、乾燥時に測定できていた深度での計測が難しくなることがあります。そのため計測可能深度は周波数だけでなく地中の物質に応じて変わることを理解しておくことが重要です。
地中レーダ探査は調査内容に合わせて選ぶべき
地中レーダは周波数が低いほど計測可能な深度も高くなりますが、それに伴い測定精度も落ちてしまいます。深くまで対応するからといって低周波の地中レーダのみをオールマイティ的に探査に使用することは適切な選択とは言えません。
物質によっても継続可能深度は変化しますので、まずはコンクリート探査なのか地中の埋設物や空洞探査なのか、はたまた地質調査なのか目的を明確すること。その上で、計測物の深度に合わせて地中レーダを選ぶことが重要です。
また地中探査方法は地中レーダ以外にも弾性波探査や電気探査などさまざまな方法があり、それぞれ得意・不得意があります。対象物によってはこれらと地中レーダ探査と組み合わせることでより精度の高い計測が可能になります。
地中レーダ探査を行っている
建設コンサルティング会社
一覧を詳しく見る