そもそも地中レーダの原理って?
地中レーダの仕組み
地中レーダとは、地中の構造を把握するために電磁波を利用する探査手法です。電磁波を発射すると地中の空洞や埋没物などの影響を受けた反射波が戻ってきます。この反射波を計測することで地中の構造を把握する仕組みです。
地中探査の方法にはボーリングなどの直接的な方法もありますが、地中レーダ探査は手押し型などもあり大がかりな装置や工事は必要としない非破壊探査が可能です。そのため迅速に調査を開始できて結果もすぐに出ます。
他の探査方法に比べると簡易にできるので費用も抑えることができます。金属の埋設管や電気ケーブルの検知に強く、道路や護岸など連続した構造物にも対応。地質構造を効率的に分析できるので土木分野や環境分野で広く利用されています。
地中レーダで取得できるデータの見方
地中レーダはアンテナを移動させながら連続測定を行うプロファイル測定とそれによって捉えられた反射面に対し、アンテナの送受信間隔を変化させ測定地点の地盤の電磁波速度を求めるワイドアングル測定の2通りの方法があります。
データ取得は測定装置を使って地中レーダによる反射波の強弱に応じたデジタル値が記録をされますが、振幅の強弱に応じて色付けされたり濃淡で区別されたものが出力されるので、金属埋設物などの位置が把握しやすくなります。
互いに平行な複数の測線を設定して測定が行われるため、測線毎に捉えられた埋設物や空洞などによる異常の位置・分布、強度などから地中での拡がりや深度などを推定したり分析したりします。
地中レーダは性能によって計測可能な埋設物が変わる
地中レーダによる探査対象には水道管やガス管、電力・信号ケーブルといった埋設管類や路面下空洞、地下埋没物、コンクリート内の鉄筋、遺跡・遺構などがあります。これらは深さや位置が異なるため、用途に合わせた計測を行います。
レーダ出力方式は無変調が多いですが、広帯域を実現するためにチャープやステップ周波数といった変調方式が採用されことがありそれぞれ特徴があります。周波数は高くなるほど高精度探査が可能になりますが、探査可能深度は浅くなります。
周波数を低くすれば深い埋設物を検知できますが、精密探査には不向きなので多角的な探査を行うことが大切です。また埋設物の材質によって反射率が異なり、反射率の絶対値は空洞が最も大きいなど分析力が重要になります。
地中レーダ探査を行っている
建設コンサルティング会社
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