地中レーダ探査未実施の結果 起こりえる事故とは
地下埋設物の事故原因で多いのは?
地下埋設物にもさまざまありますが、日本建設業連合会の資料によれば2020年で事故件数は水道管が最も多く39%を占めています。次いで通信ケーブル15%、電力ケーブル10%、ガス管5%と続いています。
その原因としては「作業打合せで埋設物対応の指示なし」「埋設物の位置、掘削方法の指示の不徹底」「埋設物の周囲50cm以内の手掘りの指示なし」など指示の不徹底が27%と最も割合が高くなっています。
これには埋設物対応への意識の低さに加え、そもそもの埋設物に関する調査不足や情報共有の不徹底が大きく関係しています。事前に埋設物に関するデータを正確に把握し、事故のリスクを感じていればこうした事故は防ぐことができます。
事故防止に役立つ埋設物に合わせた地中レーダ探査
道路やビルなどの建設工事の前に埋設物の調査をするために役立つのが地中レーダ探査です。地中レーダは大規模な機材は必要とせず、地面を掘りかえすことなくできる非破壊探査の代表的な手法として知られています。
これを行うことで地下埋設物の事故防止に役立つことは間違いないのですが注意点もあります。地中レーダのチャネル数や周波数などにより性能が異なり、用途に合わせた地中レーダを選ばないと分析精度に影響するからです。
埋設物や地下の空洞などは深さも異なり、対象となる物質により電磁波の反射も変わるため、地中レーダの種類ごとに得意・不得意を把握した上で探査を行う必要があります。そうして正確性を高めることが確実な事故防止につながるのです。
道路陥没事故の原因と対策
道路陥没事故は老朽埋設管の破損対策が対症療法的だったり、長年の土砂流出により地中に空洞が生まれやすいことが主な原因です。地中レーダを使って普段から路面下空洞調査を行っておくことが対策として有効です。
水道管の老朽化に伴う事故
水道管の老朽化に伴う事故は必要な水道管の更新が間に合っていないことに問題があります。効率的に更新作業を進めるには地中レーダ探査がおすすめです。埋設管調査に特化した機器で地中の状況を正確に把握できるからです。
ガス管掘削に伴う事故
建設・工事会社が掘削時にガス管を損傷させてしまうのは、浅い箇所にあるガス管の位置を正確に把握していないからです。地中レーダでの埋設管調査を行えば精密な測定ができ大惨事につながる事故を防げます。
橋梁床版の老朽化に伴う事故
高度経済成長期に建設された橋梁の老朽化対策が進み、破損や崩落のリスクが高まっています。予算の少ない地方自治体が効率よく対策を進めるためには、より新しい技術が搭載された地中レーダ探査が適しています。