日本一受けたい 地中レーダの授業/地中レーダ探査未実施の結果 起こりえる事故とは/水道管の老朽化に伴う事故

水道管の老朽化に伴う事故

水道管の老朽化現状

高度経済成長期に普及した水道管が老朽化

厚生労働省の資料によると日本の水道の普及率は97.7%に達し、整備拡張から既存水道の基盤をしっかり固める時代へと変わったとされます。しかし老朽化の進行や耐震化の遅れなど新たな課題にも直面しています。

特に老朽化は深刻で高度経済成長期に整備された水道は法定耐用年数(40年)を超え、経年化率が上昇。施設の老朽化により年間2万件を超える漏水・破損事故が発生する状況になっています。(※1)

水道普及率を見ると1960年に53.4%だったのが1970年には80.8%、1980年で91.5%と20年間で急速に増加していることがわかります。耐用年数を超えた途端に壊れるわけではないですが、水道管の更新時期も急速に訪れているのです。(※2)

(※1)参照元:厚生労働省公式HP「水道の現状と水道法の見直しについて」(PDF)(https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000195380.pdf)

(※2)参照元:厚生労働省公式HP「水道普及率の推移」(PDF)(https://www.mhlw.go.jp/content/000916896.pdf)

水道管の更新スピードが追いつかない状況

問題なのは更新が間に合っていないことです。具体的には全管路延長(676,500km)に占める法定耐用年数を超えた延長の割合は、平成28年度時点で14.8%。今後20年間にで更新が必要な管路は全体の23%程度と予測されています。

これを実現するためには年1.14%程度の更新率が必要となりますが、更新率は年々下がり続けています。平成20年頃から横ばいになったものの平成28年度は更新延長5,057kmで更新率0.75%。老朽化ペースに追いついてないのが現状です。

本来であれば、先手を打って漏水・破損事故が発生する前に水道管の更新を終えなければなりませんが、後手に回ってしまい事故の発生を防ぎきれていません。それに加え耐震化の遅れも指摘され早急な対応が求められています。

参照元:厚生労働省公式HP「最近の水道行政の動向について」(PDF)(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000486455.pdf)

水道管の老朽化を伴う事故の事例

すべての水道管関連の事故原因が老朽化とは言い切れませんが、事故発生時にまず老朽化を疑われるケースが多いです。ここではマスコミで報道されるような大規模なものや注目の水道管事故について紹介します。

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京都府営水道・導水管破損事故

京都府営水道・導水管破損事故京都府営水道・導水管破損事故
画像引用元PDF:京都府公式HP(https://www.pref.kyoto.jp/koei/documents/suidouvision-shiryo023_kai.pdf)

2001年7月26日に京都で起きた宇治浄水場導水管破損事故(※1)です。宇治市道に布設した導水管が破損し、約500m3の水が土砂とともに路面に流出。宇治市36,000戸、城陽市10,000戸を合わせ約46,000戸の断水が3日間続きました。(※2)

事故の原因として腐食や支持地盤の変形などが挙げられましたが、当時は明確に特定できませんでした。京都府ではこれを教訓として、別ルートで新導水管(耐震管)を設置するなど府営水道施設の耐震化及び老朽化対策を進めています。

というのも宇治系送水管路は総延長75Kmの送水管は、約45Kmが非耐震管でち約12Kmが法定耐用年数を経過した「経年管」であることが判明しており、特に耐震性が低いため最優先に実施されました。(※3)

この京都府の事例のように、法定耐用年数を超過し老朽化が懸念される水道管は、耐震性が低いケースも多いため、同時並行して進められることがあります。老朽化を放置すると大惨事につながってしまうという例です。

(※1)参照元:京都府公式HP「府営水道の過去の事故事例」(PDF)(https://www.pref.kyoto.jp/koei/documents/suidouvision-shiryo023_kai.pdf)

(※2)参照元:厚生労働省公式HP「事故事例等」(PDF)(https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/suido/1/siryou1321.pdf)

(※3)参照元:日本技術視会 近畿本部上下水道部会公式HP(PDF)(https://suido.ipej-knk.jp/_src/1006/2016.4.14.pdf)

静岡駅の駅ビル水道管破裂事故

静岡駅の駅ビル水道管破裂事故静岡駅の駅ビル水道管破裂事故
画像引用元:LOOK(静岡朝日テレビ)HP(https://look.satv.co.jp/_ct/17532449)>

2022年4月10日にJR静岡駅の駅ビル商業施設で発生した水道管破損事故です。破損したのはスプリンクラーに水を送るための配管のつなぎ目部分。天井裏を通っていた配管から大量の水が流出し複数の店舗が浸水しました。(※1)

店舗の天井から破裂音の後に水が流れ出た状況でけが人はいませんでしたが、スプリンクラーが使用できなくなったため、施設内の36店舗が防災上の理由により休業を余儀なくされる事態になりました。

破損した配管は1991年に設置。内部水圧の点検を年2回行っており、前年11月には漏水などは確認されていませんでした。配管に異常が見られない場合は交換義務はありませんが、老朽化が原因の可能性が考えられる事例です。(※2)

水道管というと地中にあるイメージがありますが、この事例のように建物内の配管が破損するケースもあります。地中とは腐食や力のかかり具合も異なるため原因究明については多角的に調査する必要があります

(※1)参照元:あなたの静岡新聞公式HP(https://www.at-s.com/news/shittoko/1052512.html)

(※2)参照元:LOOK(静岡朝日テレビ)HP(https://look.satv.co.jp/_ct/17532449

水道管の老朽化を正しく把握するには地中レーダ探査がおすすめ

探査方法探査方法
画像引用元:KEYTEC公式HP(https://www.key-t.co.jp/products/rader/smart/)

水道管は破損して漏水すると大惨事につながりますが、地中や建物内にあるものを確認するために掘り返したり削ったりするのは非効率的です。腐食などのリスクがあるためできるだけ非破壊的に状況把握をすることが求められます。

こうした水道管の老朽化や破損による被害を未然に防ぐためには地中レーダ探査がおすすめです。電磁波を発信して反射データを分析することで地中の埋設物や空洞の状況やコンクリート内の構造まで把握できるからです。

地中レーダの中には埋設管探査に特化したコンパクトな機器もあります。大掛かりな設備を用意しなくても、移動しやすい機器で水道管だけでなく直下にあるケーブル管などの状況も把握できるため、地中工事を安全に進めることが可能になります。

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