根系調査
樹木は大地に広く根を張り、そこから水や養分を取っています。都市部でも街路樹などが植えられていますが、掘削を伴う工事を行う際には樹木の根がどのくらい広がり、深いかを把握しておく必要があります。
ここでは、根系調査の目的とその方法について解説しています。
地中レーダ探査を行っている
建設コンサルティング会社
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根系調査の目的
樹木の根は養水分を吸収する重要な器官ですが、土中にあるためどの程度根が張っているかわかりません。特に都心部で工事をする場合、根系を適切に把握しておかなければ、工事に影響が出てしまうことになります。
根系調査では、根がどのくらいの量で広がり、どのくらいの深さまであるのか、また樹木の健康状態も確認します。これにより、樹木の健康を守りながら、街の整備と共存することが可能になります。
根系調査の方法
掘り取り法(モノリス法・シャベルリング法)
実際に土壌を掘り起こして根を採取し、観察・測定する方法です。
モノリス法は、特定の大きさに土壌ブロック(モノリス)を掘り取り、根を分離して測定する方法で、根の深さや方向の分布の調査に向いています。
シャベルリング法は、比較的大きな範囲を掘り、目視で根の分布や太さを確認します。大きな根を持つ樹木の場合によく用いられます。
いずれの方法も土壌構造と根系の関係を詳細に調査できますが、労力が大きく、調査地の環境を変えてしまうリスクもあります。
コアリング法(ボーリング法)
ボーリングマシンなどで円筒状の土壌サンプルを採取し、その中の根を分離して測定する方法です。
比較的労力が少なく、環境をできるだけ破壊せずに調査できるのがメリット。土壌の物理性・化学性の調査と同時に行われることもあります。
地中レーダー
土壌中に電磁波を放出し、土壌や根などの異なる物質に当たって反射してくる波を受信することで、地中の様子を推定する方法です。土壌を掘らず、非破壊で根系の位置や深さ、大きさなどを推定することができます。ほかにも遺跡や埋設物の調査にもよく用いられる方法です。
地中レーダーで非破壊連続探査が可能に
地中レーダーの反射波の解析には専門的な知識が必要ですが、樹木を傷つけず、土壌を掘ることもなく広範囲の根系構造を把握することができ、景観保全の観点からも有益な調査方法です。
街路樹や盛土法面に植栽された樹木の、その後の伸長や健康状態は、道路や盛土の管理にも大きな影響を与えます。特にアスファルトの下の根系調査は、簡単に掘り返して調査することは難しいため、地中レーダーが採用されることがあります。
実際に樹齢約60年のソメイヨシノで地中レーダー探査が行われ、非破壊調査を検証したところ、開削調査との整合性が確認されました。
