河川堤防調査
河川堤防は洪水や高潮から人命や財産を守る重要なインフラであり、その安全性を維持するためには定期的な調査が不可欠です。堤防の劣化や損傷を早期に発見することで、補修計画や維持管理に反映させることが可能です。
地中レーダ探査を行っている
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河川堤防調査の目的
河川堤防調査は、堤防が設計どおりの強度・構造を維持しているかを確認することを目的としています。主に、浸透水の漏れや亀裂、土砂の沈下などの劣化現象を把握し、洪水時の堤防決壊リスクを評価するために実施されます。
また、長期的な維持管理計画や補修計画を策定するうえで必要なデータを取得することも重要な目的です。近年では、過去の洪水履歴や堤防の経年劣化状況も考慮し、堤防全体の安全性を科学的に評価することが求められています。
河川堤防調査の方法
地中レーダー
地中レーダー調査は、堤防に損傷や空洞がないかを非破壊で確認できる最新の調査方法です。
レーダー波を堤防内部に照射し、反射波のパターンから内部構造の異常や空洞、土質の不均一性を解析します。これにより、堤防を壊すことなく連続的に内部構造を把握できるため、効率的で安全な調査が可能です。
特に長尺の堤防やアクセスが困難な場所でも適用できる点が大きな利点です。
ボーリング法
ボーリング法は、堤防内部の土質や水分含有量を直接確認できる代表的な破壊的調査手法です。地面に穴を掘り、採取した土壌試料を分析することで、堤防の密度や含水比、強度などの物理特性を把握できます。
ボーリング調査は、特に地中の構造や弱点を精密に評価したい場合に有効ですが、掘削による堤防の一部破壊が伴うため、実施には計画的な補修や復旧が必要です。
地中レーダーで非破壊連続探査が可能に
地中レーダーを用いた河川堤防調査では、堤防を壊すことなく内部の空洞や異常を連続的に確認できます。これにより、効率的に広範囲をスキャンでき、異常箇所を特定したうえで必要な箇所に限定した補修を行うことが可能です。
例えば滋賀県の調査事例では、堤防内部に空洞がある可能性を地中レーダーで特定し、その後の補修計画に反映させています。
また、国土交通省の報告では、複数の河川で地中レーダーを用いた非破壊調査を実施し、堤防の沈下や空洞の発見に成功しています。
これらの事例から、従来のボーリング法と組み合わせることで、より安全かつ効率的に堤防の状態を把握できることが分かります。地中レーダーによる非破壊探査は、堤防の安全性確保に欠かせない重要な技術として注目されています。
参照元:滋賀県「地中レーダー探査を用いた 愛知川右岸管理用堤防道路の空洞調査」(PDF)
参照元:国土交通省中部地方整備局「河川堤体内の空洞化点検技術への取り組み」(PDF)
