日本一受けたい 地中レーダの授業/地中レーダ探査未実施の結果 起こりえる事故とは/道路陥没事故の原因と対策

道路陥没事故の原因と対策

全国の道路陥没事故の発生状況

道路陥没事故を身近に感じている方はそれほどいないと思いますが、全国レベルではかなりの数が発生しています。国土交通省道路局の資料によれば、令和2年度の全国の道路陥没事故発生数は9,000件程度あります。

また事故の発生要因は道路配水施設に関連するものが約半分の割合を占めており、その他、水路や通信線などの収容に使われるボックスカルバートや下水道など水に関わる部分で多く発生していることがわかります。

地中の状況は普段の生活の中で意識することは少ないですが、道路の側溝や排水システムなど「水」関連の施設と地中への影響を調査することが、道路陥没事故への対策の足がかりになると言えそうです。

参照元:国土交通省資料「道路の陥没発生件数とその要因(令和2年度)」(PDF)(https://www.mlit.go.jp/road/sisaku/ijikanri/pdf/h30-r2kanbotu.pdf)

なぜ道路陥没事故が起きてしまうのか

東京大学・桑野研究室の資料によれば、近年都市部で発生している道路陥没の要因として老朽埋設管の破損により土砂が流出しても、その対策が対症療法的になっていることを挙げています。

長年の土砂流出により地中に空洞が生まれやすい状況になっており、根本的な対策を行わずに半ば放置した状況に掘削工事や豪雨、地震などが誘因となり内部侵食が進行することで空洞部が拡大。道路陥没につながるというわけです。

近年は異常気象により、毎年のように想定を超えるような豪雨や洪水被害が発生しています。これまで問題がなかった地盤でも、知らないうちに空洞が発生しそこに大量の水や土砂が流れ込むと道路陥没が起きる可能性は充分に考えられるのです。

参照元:東京大学・桑野研究室「地盤陥没の未然防止のための取り組み」(PDF)(https://www.iis.u-tokyo.ac.jp/media/2018-08/5_icus_kuwano_j.pdf)

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道路陥没事故の事例

規模の大小はありますが道路陥没事故は全国で発生しています。ここでは比較的大規模な道路陥没事故で新聞やテレビなど報道でも取り上げられた2つの事例と事故後の調査結果から考えられる原因について紹介します。

福岡駅前陥没事故

福岡駅前陥没事故福岡駅前陥没事故
画像引用元:西日本新聞公式HP(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/301843)

2016年11月8日午前5時15分頃に福岡市博多区博多駅前で発生した道路陥没事故です。そこは市営地下鉄七隈線延伸工事現場で、縦横約30メートル、深さ約15メートルに渡り、地上を通っている市道が陥没しました。

この事故によるけが人はいませんでしたが、道路5車線が通行止めになったほか、博多駅周辺で停電や断水、ガスの供給が止まるなどライフラインに大きな影響が出ました。また付近の公園には100人以上避難者が出るなど規模の大きい陥没事故の一つです。

その後、国の第三者委員会が事故原因の究明を行いました。その最終報告書には事故要因として、ばらつきがあった岩盤層の強度の解析に平均値を用いたため、実際の強度よりも高く評価していたことが報告されています。

地下鉄のトンネルを掘り進める中で想定より薄くなっていた地盤が割れ、そこに地下水や土砂が流れ込んだことで陥没事故につながりました。事故発生は複合的な要因が重なって起きていると考えられますが地盤調査の重要性を再認識させる事故と言えます。

参照元:西日本新聞公式HP(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/301843/)

東京・調布市の陥没事故

2020年10月18日午前9時半頃に東京都調布市の東京外環道トンネル工事現場付近で起きた道路陥没事故です。陥没地点付近の3カ所で空洞が発見され、衛星解析によりトンネルの真上以外で2~3センチメートル程度の沈下と隆起も明らかになりました。

この事故で東日本高速道路の有識者委員会は「現場付近の特殊な地盤と、施工上のミスが重なった」との見解を示しました。小石の多い地層を掘削中に過大な気泡注入と上層の砂まで過剰に取り込んだことが空洞や陥没を起こしたとされます。

再発防止策として東日本高速道路は地盤の緩みを直す補修工事を行うと表明。地盤補修工事は大規模なものとなり家屋損傷の復旧だけでなく、引っ越しを余儀なくされる住民もいるため解決の長期化が懸念されています。

地下40メートルより深い大深度地下工事は地表に影響は出ないとされていましたが、この事故により、同様の他の工事の見直しも必要な状況です。地盤補修工事は全断面で、空洞の有無を調査し充填剤などで緩んだ地盤を固めることが必要になります。

参照元:西日本新聞公式HP(https://www.nikkei.com/article/DGXZQODG1135Q0R10C21A2000000/)

参照元:東京新聞公式HP(https://www.tokyo-np.co.jp/article/85646)

八潮市道路陥没事故

2025年1月28日午前9時40分頃、埼玉県八潮市中央一丁目交差点付近において、県道松戸草加線上の道路が陥没しました。事故現場では、直径約5メートル、深さ約10メートルの陥没穴が急激に形成され、通行中のトラックが突如として転落。現在2025年4月22日時点でも、トラック運転手の安否が確認されず、救助活動が続けられています。

この事故に伴い、現場周辺では道路の通行止めや交通規制が実施され、近隣住民の日常生活にも大きな影響が出ています。さらに、下水道管の破損による漏水が原因とされ、漏れ出した水が土砂を流し込むことで地盤が不安定になり、陥没事故が発生したと考えられています。

事故発生後、国土交通省、埼玉県、八潮市が連携して原因究明および復旧作業に着手しました。調査の初期結果からは、老朽化した下水道管からの漏水が地盤の急速な劣化を招いたことが、今回の事故の決定的要因であると指摘されています。

下水道管の老朽化による漏水が、土砂の流入と地下空洞形成を招き、一気に道路陥没を発生させたという複合的な要因が今回の事故の核心です。この事例は、インフラの定期点検や維持管理の重要性を再認識させ、再発防止策の徹底が求められる事故と言えるでしょう。

参照元:埼玉県ホームページ(https://www.pref.saitama.lg.jp/c1502/news/page/news2025032701.html)

道路陥没事故を防ぐには路面下空洞調査がおすすめ

道路陥没事故を引き起こす要因は一つではないですが、地中の空洞探査を普段から行っておくことは事故を防ぐ対策として有効です。実はこのよう路面下空洞調査は地方自治体も含め各所で行われています。

路面下空洞調査で欠かすことができないのが地中レーダです。一次調査、二次調査(メッシュ調査)、駆動可能性評価といった流れで進められますが、一次調査では路面下空洞探査車のレーダデータの波形を解析し異常信号を抽出します。

地中の空洞発生状況は時間の経過により変化しますので、事例で紹介したような大規模な道路陥没事故を防ぐためには定期的な路面下空洞調査を行うことが必要です。路面の安全性を維持するためには常に目に見えない地中の状況も把握しておくことです。

参照元:国土交通省「路面下空洞調査の実施状況報告」(PDF)(https://www.mlit.go.jp/chosahokoku/h25giken/program/kadai/pdf/ippan/anzen1_06.pdf)

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調査技術による道路陥没の予防対策

事故の予防には、正確な現状把握が不可欠です。そこで、最新技術を活用した調査手法が、各地の自治体や企業によって導入されています。

地中レーダー探査技術

地中レーダーは、電磁波を地中に照射し、その反射波を解析することで、空洞や亀裂の有無、深さなどを高精度に検出できる非破壊検査法です。車両搭載型や歩行者用などさまざまな形態が存在し、広範囲を短時間で調査できるため、定期点検の基幹技術として活用されています。

ドローンによる空撮とセンサー技術

ドローンは、上空からの空撮だけでなく、搭載されたセンサーによって道路表面や近傍の地盤状況をリアルタイムで把握する手段として注目されています。ドローンを用いることで、危険な場所への人員の立ち入りを最小限に抑えるとともに、より迅速な事故予兆の把握が実現しています。

AI解析システム

多数の調査データをもとに、AIが自動で空洞の成長速度や陥没リスクを解析するシステムも導入されつつあります。これにより、蓄積されたデータから地域ごとのリスクマップを作成し、優先的な補修が必要な場所を迅速に特定できるため、効率的な予防保全につながっています。

実際に、各自治体では、地中レーダーなどを使った定期点検を実施することで、事故発生前の予兆を検出し、早期に補修を行う体制が整いつつあります。これにより、実際の陥没事故の発生件数が低減され、住民の安全確保と迅速な復旧に大きく寄与している事例が多く報告されています。

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