大学・研究機関での地中レーダー活用方法・事例
東北大学|遺跡調査における地中レーダー活用
東北大学では、地中レーダーを活用し、発掘前に遺跡の地下状況を把握する非破壊調査が進められました。東日本大震災後の復興事業に伴って遺跡調査の迅速化が求められるなか、地方自治体と連携しながら、効率的かつ保存に配慮した調査手法として実装してきた点が特徴です。
調査対象には、さきたま古墳や東大寺、瑞巌寺などが含まれており、地中レーダーに加えて高精度測位や三次元計測も組み合わせながら、遺跡の全体像を立体的に把握しています。掘削前に有望地点を見極められるため、文化財保護と調査の効率化を両立する手法として注目されています。
(https://www2.cneas.tohoku.ac.jp/research/unit/4.html)
東京大学|道路下の埋設管・空洞把握に向けた地中レーダー研究
東京大学では、車載型の高速地中レーダーを用いて道路下を広域に計測し、埋設管や空洞を自動検出する研究を進めています。取得した膨大なデータをDSP(ディジタル信号処理)やAIで解析し、地中の状態を三次元的に把握することで、道路インフラの維持管理高度化を目指しているのが特徴です。
この研究では、地中レーダーの検出結果を地図上に反映し、既存の路面診断データとも連携させることで、地表と地下を一体的に管理する仕組みの構築を志向しています。道路陥没の予防や工事時の埋設管損傷リスクの低減につながる技術として、都市インフラ分野での実用化が期待されています。
(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-19H02221/)
日本大学|埋設管検知精度向上のための地中レーダー計測研究
日本大学では、地中レーダーによる埋設管や空洞の検知精度を高めるため、通常の縦断方向計測と斜め方向計測の違いを比較する研究を行っています。地下埋設物の破損は工事遅延や事故につながるため、現場での検出漏れを減らすことを目的に、より有効な計測方法の検証が進められました。
模擬ヤードでの実験では、全体の検知数は縦断方向計測のほうが多かった一方で、縦断方向と平行に埋設された管は斜め方向計測で検知できるケースが確認されました。計測方向によって見つけやすい対象が異なることを示した研究であり、実務における探査精度向上に役立つ知見として位置づけられます。
(https://www.cst.nihon-u.ac.jp/research/gakujutu/68/pdf/F1-10.pdf)
